by Carol Feigenbaum | 2020年2月17日| ソーシャルリスニング、トレンド
参照元: https://www.netbase.com/blog/amazon-dating/
本記事はNetBase Solutionsによって書かれた上記の記事を翻訳したものです。
行事やイベントの際には様々なブランドによってプロモーションが行われますが、バレンタインデーはその中でも代表的なイベントです。
時代の変化とともに新しい世代が登場し、イベントの楽しみ方も変化する中で、プロモーションも変わっていかなければなりません。この記事では、気まぐれな消費者の心をつかむため、ソーシャルリスニングを活用してプロモーションを成功させたAmazon Datingやその他の事例をご紹介します。
バレンタインデーは変わらないが、消費者は変わった
これまでブランドは「盛大なギフトを贈って贅沢をする」ような楽しみ方を消費者に向けてプロモーションしてきました。しかし、オンライン上では消費主義に対する批判が強まっており、 バレンタインデーはクリスマスのすぐ後にくる「プレゼントを贈る」イベントなので、プロモーションの仕方が少々難しくなってきています。
Quidでオンライン上のバレンタインデーに関する会話データをクラスターに分けて分析してみると、以下のようなキーワードが多く使用されていることが分かります。
・Free Printable Emoji Valentine..(無料で印刷して使えるバレンタインカード)
・Dollar Tree(アメリカの1ドル均一ショップ)
・DIY(Do-It-Yourselfの略、自分でハンドメイドすること)
バレンタインデーはダイヤモンドやチョコレートばかりではなく、お金をかけない楽しみ方がトレンドになってきているようです。
さらに、NetBaseでバレンタインデーについてオンライン上の会話を分析すると、次のとおりネガティブな傾向も多くみられます。
ワードクラウドには「dystopian future」(ディストピア的未来)というキーワードも浮かび上がっています。バレンタインデーにネガティブな感情を持っている人がいるところを見ると、これまでのプロモーションについて考え直さなければならないということが分かるでしょう。
Amazon Datingの登場
このようなバレンタインデーに対するネガティブな雰囲気を背景に、バレンタインデーはパロディとしても扱われるようになってきています。
バレンタインデーに対する消費者心理の変化に注目した2人の起業家は、Amazon Datingというサイトを作りました。下の画像は本物のAmazonの画面ように見えますが、Amazon Datingの画面です。Amazon Datingは「Alexa対応の電子レンジ」の検索結果を表示する代わりに、「近くにいるホットなシングル」(恋人候補)の写真を表示します。表示される画面の構成なども本物のAmazonとほとんど変わりませんが、投稿者は商品のスペックのように、身長や性格、愛情表現の方法などを書き込むことができ、閲覧者は実際にAmazonで商品を注文するようにカートに入れることもできます。
このプロモーションアイデアは多くの人に気に入られました。
このように、バレンタインデーに対してこれまでとは異なる方向性のプロモーションが登場しています。また、ターゲット(ミレニアル世代)がバレンタインデーに代わる他のイベントに関心を持ち始めているときにも、プロモーションの再考が必要です。たとえば、ギャレンタインについて考えてみましょう。
バレンタインに代わるイベント「ギャレンタイン」
ギャレンタインは10年前に始まりました。『パークス・アンド・レクリエーション』というアメリカのコメディドラマで、主人公のレズリー・ノープ(Leslie Knope)が、バレンタインデー直前に失恋してしまった友人のため、2月13日にパーティーを開いたというエピソードがもとになっています。アンチ・バレンタインデーのような意味合いを含むイベントで、今ではパートナーの有無に関係なく、2月13日は女性にとって特別な日となっています。
オンライン上のデータを分析してみると、消費者はギャレンタインに歓迎的な雰囲気であることがわかります。主流のバレンタインデーとは対照的にネガティブなコメントはかなり少なく、今回の分析で見られたネガティブなコメントはゲイリー(Gary)という男性のギャレンタインに対する苦情のみという結果になりました。
ゲイリーはおそらく、パレンタインという(恋人のいない人が親友とともにパーティーなどを楽しむ)日があることを知らなかったのでしょう。
なぜなら、ほとんどの場合、ギャレンタイン、パレンタイン、独身の日には、うらやましいぐらい愛に溢れた投稿が発信されているからです。
下の分析ように、ギャレンタインと比べてバレンタインのメンション数は圧倒的に多く、広告としてバレンタインを活用することは引き続き有効ですが、ギャレンタインに関する投稿は増加傾向にあります。どちらのイベントにもプロモーション予算を割き、消費者を捉えておく価値はあるでしょう。
また、バレンタインの投稿を見ると「not go」や「not want」というキーワードが多く使用されています。このようにトレンドに変化が生じているときには、会話の中で影響力のある投稿者を特定してトレンドの変化をチェックしておく必要があるでしょう。
ギャレンタインに参入するブランド
かなりの数のブランドがすでにギャレンタインをプロモーションに活用しています。
- Hallmark:ギャレンタイングッズの販売
- Party City:ギャレンタインをテーマとしたバナーの提供
- Etsy:ギャレンタインギフトの販売
また、デートアプリ Bumble は Mars Wrigley とともに、おやつやマニキュアを完備した無料のイベントを開催しました。このイベントは、バレンタインデーの定義が変化していることを背景に、友人やビジネスパートナーなども含めた身近な人との繋がりを祝い、繋がりを深めることをテーマとしています。
その他にも、ディナーパーティーからリキュールのテイスティングまで、2月12日と13日にはアメリカ全土で様々なギャレンタイン、パレンタイン、独身の日をテーマにしたアンチ・バレンタインイベントが開催されました。
これこそ、Amazon Datingが非常に多くの人の共感を得て、ローンチの時点ですでに10,000人以上から登録申請があった理由なのです。消費者の注目を集めるこのサイトは、引き続きチェックしておくべきでしょう。また、ギャレンタインは今後確実に成長すると考えていいでしょう。来年はどれだけ大きなイベントになるかが楽しみです。
あなたのブランドは、今年ギャレンタインをプロモーションに活用できましたか?ソーシャル・リスニングは消費者のトレンドをリアルタイムに知らせてくれます。ソーシャル・リスニングにご興味のある方や、ソーシャル・リスニング・ツールでどのような分析ができるか実際にデモをご覧になりたい方はお気軽にご連絡ください。
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