2019.12.18 By manabe.yuriko No comments yet
by Robyn Lindars | 2019年11月29日 | 感情分析、ソーシャルリスニング、トレンド
参照元: https://www.netbase.com/blog/black-friday-cyber-monday/
本記事はNetBase Solutionsによって書かれた上記の記事を翻訳したものです。
ブラックフライデーは、買い物好きや節約好きの人にとって見逃せないイベントです。しかし、サイバーマンデーの登場により、ブラックフライデーでの売り上げは、サイバーマンデーと取り合いになっています。消費者はどちらで商品を購入しようとしているのでしょうか。ソーシャル分析によって消費者の心理を明らかにしましょう。
ブラックフライデーの由来
ブラックフライデーの由来をご存じでしょうか?
1920年代には、まだブラックフライデーという名称ではありませんでしたが、ニューヨーク老舗百貨店Macy’sのパレードにおいて、ブラックフライデーのセールが行われることが宣伝されました。
「ブラックフライデー」という名称は、1960年代にフィラデルフィアの警察によって名づけられました。毎年11月の第4木曜日は感謝祭で、その翌日は感謝祭プレゼントの売れ残り一掃セールの日になっていたため、街が買い物客であふれかえりました。当然、店のスタッフは大忙しで、警察も街が混乱しないよう出動しなければなりませんでした。そのうえ、感謝祭翌日の金曜日は仕事を休む人が多く、店員や警察はハードワークを強いられました。そのため、毎年ハードワークとなるこの日を、警察が「ブラックフライデー」と呼んだのです。
このように、もともとはネガティブな意味で使われていた名称ですが、店にとっては1年で最も収益の上がる日であったこともあり、のちにフィラデルフィアの新聞が「小売業者が儲かり黒字になるから」という新たな解釈を発表してからは、良い意味で使用されるようになりました。
その後、1970年代から1980年代にはブラックフライデーセールを行う地域が拡大し、各地で安売りが行われ、多くの買い物客が店に殺到する日となりました。(詳細)
サイバーマンデーが参戦
2005年には、サイバーマンデーがオンラインでこの年末商戦に参戦しました。
サイバーマンデーは、感謝祭の翌月曜日から行われるオンラインショップでの年末商戦のことで、この呼び名は2005年に「Shop.org」が使い始めたとされています。
この日は、感謝祭翌日のブラックフライデーで外出したり帰省したりしていた人たちが、自宅に戻って改めて落ち着いてインターネットで買い物をしたり、買い損ねた商品を購入することから、オンラインでの売り上げが増加する日と言われます。「A Shop.org/Bizrate Research 2005 eHoliday Mood Study」には、以下の調査結果が述べられています。
2005年、オンライン小売業者の77%は、感謝祭の翌月曜日に売り上げが大幅に増加したと答えた。
サイバーマンデーのオンラインの売り上げは、2014年は26億5,000万ドル(約2800億円)、2015年は29億8,000万ドル(約3200億円)、そして2017年には過去最高の65億9000万ドル(約7200億円)にまで成長した。
このように、2005年から始まったサイバーマンデーも、順調な売れ行きを見せています。
ブラックフライデーとサイバーマンデーのメンション数
NetBaseにより、ブラックフライデーとサイバーマンデーに関する投稿データを分析すると、興味深いことがわかりました。ブラックフライデーに関するメンションはミレニアル世代に多く、サイバーマンデーに関するメンションはベビーブーム世代に多いのです。オンラインに精通しているミレニアル世代の方が、サイバーマンデーへの関心が強そうにも思いますが、なぜこのような結果になったのでしょうか。
また、ブラックフライデーとサイバーマンデーのメンション数の全体的な比較を見ると、ブラックフライデーの方がどの時点でも多く言及されていることがわかります。
メンション数の背後にあるもう一つのメトリクス
メンション数だけを見ると、ブラックフライデーの方が企業にとっては消費者に注目してもらえるチャンスのように見えます。
しかし、ブラックフライデーには以下のような懐疑的な意見や批判も多く、それがブラックフライデーへのメンション数を高めていることも考慮しなくてはなりません。
「私はブラックフライデーのような醜い消費主義が嫌いです。人々が必要ないものをどんどん買うように仕向ける、ばかげたアイディアだと思います。」
それでは、ブラックフライデーとサイバーマンデーの特徴の違いを確認してから、それぞれに対する消費者の感情を分析してみましょう。
ブラックフライデーとサイバーマンデーの特徴
まずは、両者の特徴の違いを確認しましょう。
専門家によると、1年に1回程度購入する商品については、ブラックフライデーで割引価格で手に入る可能性が高いそうです。また、ギフトとして購入するものであれば、サイバーマンデーでより安く購入できる可能性が高いとのことです。(詳細)
Consumer Technology Associationの研究担当副社長、Steve Koenig氏は次のように述べています。
ブラックフライデーではテレビ、ラップトップ、ゲーム機などがお買い得で、これらを買っておくと最終的に家計のためになります。
また、アドビのデジタルインサイトマネージャーであるVivek Pandya氏は両者の特徴の違いについて次のように述べています。
テレビや家電製品は、ブラックフライデーでお得になりやすい商品です。一方サイバーマンデーでは、その他の分野の、より新しくニッチな技術の電子機器が手に入ります。
ブラックフライデーへの批判
ブラックフライデーは店に客が殺到するため、サイバーマンデーにはない問題が発生するという特徴もあります。それは、店内の混雑や混乱です。
ブラックフライデーに関連してよく聞く「ドア・バスターズ」とは、小売店が制限時間や制限個数を設けるなどして用意する、通常よりかなり安い目玉商品のことで、言葉のとおり、店舗のドアを壊す勢いで大勢の客がこれを目当てに押し寄せます。
以下のワードクラウドを見るとわかるように、ブラックフライデーの議論では、Amazonが最も際立っていますが、ウォルマートがその次に続いています。これは、毎年ウォルマートでは口論が頻発するためと考えられます(詳細)
ブラックフライデーの期間、ブラックフライデーに関するキーワードでもっとも頻出したのは「absolutely insane」(完全に正気ではない)というキーワードで、これはポジティブな意味で使われています。センチメントはポジティブが少し多い結果となっています。
センチメント傾向は低く、100に達するスケールで14%になります。
センチメント傾向が低い理由は理解できるでしょう。ブラックフライデーの街の混乱は、死人やけが人がでるほどで、デス・カウントをするサイトまであるのです(こちら)。そんな休日、他にはありません。
ブラックフライデーは英国と米国から広がって、今ではブラジル、インド、フランス、ノルウェー、ルーマニア、ドイツなどの国にも拡大しています。しかし、歓迎ムードではない地域もあります。
たとえばオーストラリアでは、感謝祭を祝う習慣がないだけでなく、「ブラックフライデー」という言葉がもともと別の意味で使われていました。1939年、南オーストラリアでブッシュファイアーが発生し、71人もの人が犠牲になりました。オーストラリアではこの出来事を「ブラックフライデー」と呼んでいるのです。そのためお祝いムードで「ブラックフライデー」を行うことには懐疑的な意見もあります。一部で盛況を博したイベントやマーケティング手法も、その地域の文化を考慮しなくては、消費者には受け入れられません。
それでは、サイバーマンデーはどうでしょうか?
サイバーマンデーに流れる消費者
センチメントの観点から見ると、サイバーマンデーにはおおむねポジティブな感情を持っている人が多く、約半数がネガティブな感情を持っていたブラックフライデーとは大きく異なります。
センチメント傾向は88%と高く、この点でもブラックフライデーの14%との違いが顕著です。
また、サイバーマンデーでは、ブラックフライデー以上にガジェットや日用品などをお得な価格で提供しています。
実際に、ブラックフライデーとサイバーマンデーに関する「行動」を比較すると、ブラックフライデーでは「not shop」というキーワードが最も多く、「ブラックフライデーでは買わない」という内容の投稿が多いことがわかります。また、「not shop」の次には「wait for」が続き、おそらく「ドア・バスターズ」に表されるような店内の混乱を避けて、次の月曜日のサーバーマンデーで購入しようと考えている消費者が多いのではないかと考えられます。一方、サーバーマンデーに関する行動の上位にも同様に「wait for」が見られますが、その下には「cannot wait」もあることから、こちらは消費者がサイバーマンデーを「心待ちにしている、待ちきれない」という意味で使用されていると考えられます。
Leave A Comment
You must be logged in to post a comment.