化粧品ブランドに対する消費者のインサイトから成功の材料を得る方法

by Mike Baglietto | 2020年4月9日| Covid-19、ソーシャル分析、ブランド・アナリティクス
参照元: https://www.netbase.com/blog/cosmetic-untapped-insight/
本記事はNetBase Solutionsによって書かれた上記の記事を翻訳したものです。

私たちの周りは不確実性にあふれており、ビジネスにおいては自社ブランドの分析がこれまでになく重要になっています。今回注目する化粧品ブランドにとっても、自社ブランドの分析によって得られるインサイトは山ほどあります。

また、消費者や市場のインテリジェンスは、ブランド固有の顧客データと組み合わせることで驚くほど重要な情報になる可能性があります。この記事では、消費者の情報を商品展開などに活用する事例をご紹介します。

多様化する顧客のエンゲージメント指標

最近では、多くの化粧品ブランドが Hootsuite、SpredfastなどのSNS管理ツール から自社のオンラインポータルサイトまで、様々なチャネルを使用して顧客との接点を持っています。

これらの手段は、サポートチケットの作成や管理、ポリシーやドキュメントの公表、注文の管理や追跡、見積もりや請求書の検索、FAQ情報の共有などを可能にするだけではありません。顧客に関する豊富な情報を独自に得ることができ、これとオンライン上の消費者のインサイトをAIプラットフォームで統合することによって、重要なカスタマーエクスペリエンスの指標を抽出することができます。それにより次のことも可能になります。

  • すべての顧客の会話を捉えて理解する。
  • ビジネスにとって重要なトピックを抜き出し、カスタマーケアの問題点、人口統計、インフルエンサーなどを特定する。
  • 顧客のニーズに対応する時間を大幅に短縮することで、消費者の満足度や口コミを改善し顧客を維持する。

消費者のインサイトを幅広く調べる

消費者と繋がるためには様々な試行錯誤が必要ですが、インサイトを適切に理解すれば素晴らしい繋がりを生みだすことができます。

消費者と繋がるためのマーケティングの一例として挙げられるのがペット、とくに猫を利用したものです。新型コロナウイルスのパンデミックの中でも、猫のミームは次々に登場しています。

猫ミーム中のコヴィッド

絶え間なく世界の状況が変化する中では、数週間前まで通用していたものもすぐに時代遅れになってしまいます。しかし、ソーシャル・アナリティクスによってオンライン上の消費者の会話をリアルタイムに分析すれば、その時の状況に合わせたソリューションを生み出すことができます。

たとえば、新型コロナウイルスの影響で外出ができない中では、自宅で過ごす消費者の生活に対応するソリューションが生み出されています。

Covid-consumer-conversational-clusters

CRMやソーシャル・アナリティクスを活用して消費者の声を理解することにより、状況に合わせてビジネスを改善していくことができるのです。

ブランドCRMとソーシャル・アナリティクスの統合

CRMとソーシャル・アナリティクスを活用すれば、コンシューマー・リスニングの力を最大化することもできます。

ソーシャル・アナリティクスツールは、ソーシャルメディアの投稿、ブログ、口コミ、ニュースサイトなど様々なソースからデータを収集し、膨大なデータからインサイトを抽出するまでの工程を数分で行うことができ、その費用対効果は非常に高くなります。同じ作業を手動で行おうとすれば何週間もかかってしまい、分析結果が出るときにはもう古いデータとなってしまうでしょう。

たとえば、ある化粧品ブランドがアイメイク商品の幅を広げたいと考えているとしましょう。カスタマーケアチャネル、ソーシャルメディアに投稿されるコメント、顧客の購入履歴などを通じて消費者が発信しているアイメイクのトレンドと、現在オンライン上でリアルタイムに話題になっていることを組み合わせることによって、市場ではどのような商品が求められているかという貴重な情報が得られます。

BYODデータを使用した消費者洞察のキャプチャ

さらに分析を深掘りすることにより、アイメイクの中でも消費者が最も関心のあるトピックや、今後数年のトレンドも予測することができます。

2025年までのメイクアップ市場のグローバルトレンド

もちろん、重要なのは消費者の発言だけではありません。消費者がどのように感じるかが、ブランドや企業の成功を左右します。ソーシャル・アナリティクスツールでは、消費者のセンチメントも分析することができます。

ブランドに関する消費者の感情

Sephora はコンシューマー・リスニングを上手く活用している企業の1つです。化粧品の分野で最も競争力のあるプレーヤーである彼らの武器は、カスタマーサービスに精通していることです。

CRMの観点では、顧客のロイヤルティを表彰するメンバーシッププログラムを使用することで、彼らは顧客の購入傾向に関するインサイトを収集しています。多くの企業はこのデータがいかに価値あるものか、まだ気が付いていません….

CRMとソーシャル分析の統合

ソーシャル・アナリティクスの観点では、AIを用いたソーシャル・アナリティクスツールを用いて消費者の声や市場のトレンドをリアルタイムに把握することで、彼らはトレンドの最先端を行きます。

化粧品ブランドのCXアプローチ

美容やセルフケアに関連するすべての商品がワンストップで購入できるSephoraのオンラインショップも、カスタマーエクスペリエンスに関する知識の宝庫です。Sephoraは、顧客の「購入する前に試してみたい」という心理を理解して、顧客が購入前にアイシャドウや口紅を試すことができるバーチャル・メイクアップルームを立ち上げました。これは買い物客にとって便利なだけでなく、企業にとってもメイクアップに対して先進的な顧客のインサイトを捉え、将来の製品開発に役立つ情報を得ることができます。

このトレンドに続いて、Charlotte Tilbury は店内にバーチャル・ミラーを設置してほしいという要望に応えました。また Farfetch は、ブランドやブティックがオンラインとオフラインのギャップを埋めるための新たな技術が詰まった“The Store of the Future”という店舗を発表するとともに、彼らが顧客の意見に聞く耳を持っていることを証明しました。多くの消費者が家から出られない今、これらのテクノロジーは革命的なゲームチェンジャーと言えるでしょう。

世界中の化粧品ブランドが消費者の意見に耳を傾け、消費者が望んでいるものを理解しようとしています。そして、おそらくもっと重要なこととして、何が消費者にネガティブなイメージを与えるかも注視しています。

たとえば、Jessica Albaの会社である Honest は、原材料や製造過程について十分な情報提供を行わなかったため多くの批判を受けました。この問題がネット上で炎上する前にも、消費者は会社側に連絡したり、直接クレームを言ったりしていたはずです。この問題を機に、化粧品各社は迅速にPETAの承認を得るようになりました。

また、社会の機運を読み取るという点については、民族性の問題に関する事例もあります。

化粧品-包含性の問題

自分に合ったファンデーションの色を見つけるのは難しい問題です。とくに幅広く色のバリエーションが提供されていない場合はなおさらです。AvonL’Oréal などの企業は、顧客の声に耳を傾け、より暗い色合いのニーズにも応えています。彼らは内部データから捉えたインサイトを注意深く分析しているのでしょう。

より多くの化粧品を含む

Sephora が提供している Make-up IQ は、ユーザー自身が操作することで自分の肌色に適切なファンデーションを選ぶことができ、一方でSephoraも見事に顧客の情報を収集しています。

Sephoras-makeup-IQ-for-capturing-consumer-insight

また、インクルージョンに関する会話をテキスト分析でセンチメントごとにクラスタリングし、どの分野でこの機運が歓迎されているかを確認することもできます(画像内の緑色の部分)。

インクルーシブビューティートレンドトレンド会話型キャプチャー
どこで見るか-化粧品-インクルーシブ-会話-特に起こっていること

CRMとソーシャル・アナリティクスの統合によって価値ある情報が得られるのは化粧品業界だけではありません。たとえばファッション業界でも、服のサイズのニーズを分析するなどして、消費者の声に応えることができます。

実際に、ふくよかな身体の美しさを提唱する“body positivity movement”が、有名人やソーシャルメディアのインフルエンサーによって主導されていることに気が付き、多くの企業がこの運動に続きました。

リーハイ大学のマーケティング教授である Ludovica Cesareo は、アクティブリスニングがいかに変化を促進するのに役立つかを説明しています。

「消費者は、ファッション業界における多様性の欠如に対して不満を抱いており、より幅広く消費者のニーズに対応するよう求めています。」

ナイキ追加プラスサイズマンネキン

CRMとソーシャル・アナリティクスを統合することで、顧客とよりよい関係を築けるだけでなく、ブランドの収益性を向上することもできます。それぞれのブランドは驚くほどのポテンシャルを持っていますが、それが見落とされてしまうことも少なくありません。あなたのブランドのポテンシャルがどのように活かせるか、デモンストレーションをご希望の方はお気軽にご連絡ください。

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