by Kimberly Surico | 2020年3月25日| Covid-19、マーケティング、ソーシャル分析
参照元: https://www.netbase.com/blog/retailers-online-events/
本記事はNetBase Solutionsによって書かれた上記の記事を翻訳したものです。
企業と消費者は今、力を合わせて新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックと戦っています。ビジネスの縮小や社会的な隔離政策の中で、企業はどのようにして消費者の注目を得ているのでしょうか。その答えは、少しの創造力と、工夫と、情熱にあります。次世代のAIを使って、企業がどのような対策を行っているのか見てみましょう。
マーケティングの方向転換
デパート、レストラン、バーなどがだんだんと臨時休業するに従い、企業が普段考えている「どうすれば収益を増やすことができるか」という疑問は、「どうすれば収益を得ることができるか?」という疑問に変わってきています。
Anhuesser Buschは、新型コロナウイルスの影響を受け始めた最初の2か月で、2億8500万ドルの損失があった報告としました。影響を受けた例としては、たとえば家庭用品大手のHome Depotでは商品の30%を中国から仕入れており、会社を守るため緊急対応策を検討する必要に迫られました。このような経済的な影響は世界中に及んでいます。
Quidのマーケットインテリジェンス機能を使用してオンライン上の会話を分析してみると、ビジネスにおける財務上の影響についてどれだけの会話が行われているかが分かります。
また、NetBaseで過去2週間に頻出した感情のキーワードを分析すると、新型コロナウイルスによるネガティブな影響を心配する声も見られますが、それ以外にも興味深い傾向が見られました。
ワードクラウドのポジティブなキーワード(緑色のキーワード)を見ると、”love”, “thank”, “favorite” などが表示されています。企業にとって、このようなキーワードは希望であり、創造性を発揮させる重要なインサイトとなるでしょう。
英語で”Necessity is the mother of invention.”(必要は発明の母)ということわざがありますが、 とくに高級ブランド各社は、確固たる姿勢で新たな業界標準を作っていくことになりそうです。
高級ブランドによる新たな業界標準の設定
世界中の人が除菌のため手を洗うように、世界中の高級ブランドが外出できない消費者にオンラインで商品やサービスを提供しています。
非の打ちどころのないファッションで知られるDiorは、パリで行われるキャットウォークショーの秋/冬コレクションをライブストリーミングで公開し、感染が拡大している状況下でも中国のバイヤーとのつながりを維持しました。
高級ファッションブランドでは顧客の約40%を中国人が占めており、高級品の売り上げのうち14%がオンラインでの購入によるものです。そう考えれば、この新たな試みは創造的であるだけでなく、財務上の問題も軽減できる工夫と言えます。次のTwitterの投稿のように、このオンラインサービスに対する喜びの声も見られます。
この先例に続いて、世界で最も価値のある高級ブランドと言われるLouis Vuittonは、ソーシャル分析ツールを活用して消費者の分析を行いました。そして顧客への厚意を示すため、バレンタインデー専用のポップアップを立ち上げ、顧客がオンラインで商品を注文できるようにしました。
Louis Vuittonはその後、オフラインのプロモーションをすべてオンラインに移行し、顧客にQRコードを送信しました。これにより、Louis Vuittonはコンサルティングと販売後のカスタマーサービスをオンラインに移行し、2019年からのオンライン販売の売り上げを倍増させることもできました。
消費者は愛をオンラインで共有
それでは、消費者はどこでブランドに対する愛着を示しているのでしょうか。もちろん、ソーシャルメディアです!
下の画像では、Instagramで75,000人のフォロワーを持つユーザーが希少価値の高いLouis Vuittonのフェイスマスクを披露しています。
また次の投稿では、オンラインで注文したLouis Vuittonのキーケースが届き、購入した女性が興奮していることが伺えます。
このように、顧客はオンラインという新たなオプションに対してかなりポジティブな反応を示していると言っていいでしょう。DiorとLouis Vuittonは、消費者にとってオンラインでのサービス利用を当たり前で日常的なものにすることで、この経済的に停滞した時代でも、ハイエンドの消費者に商品とサービスを提供する道を開きました。
彼らに対するメンションのポジティブ/ネガティブの割合、投稿数、センチメント傾向を見ても、オンライン上の投稿は彼らに対してポジティブであることが見て取れます。
オンライン販売はすでに活発化している産業ですが、新型コロナウィルスの影響により人々の外で過ごす時間が減少することによって、今後ますます成長するだろうと考えられます。
実際、オンラインのイベントは全体的に増加傾向にあります。これは理にかなった動きと言えるでしょう。
Forbesも、食料品店やレストラン向けのeコマース配信サービスの大幅な増加を見込んでいおり、最近ではより多くの小売企業がこれまでの制限を超えてオンラインに移行することで成功を収めています。
DLG (Digital Luxury Group) 、中国代表取締役のPablo Mauronは次のように述べています。
「創造性と一貫性を結びつけることで、ブランドは販売とブランディングの両方にメリットとなるデジタルエンゲージメントに焦点を当てたコンテンツ(ライブストリーミング、小売店のエンターテインメント、3Dマッピング、ARフィルター、インタラクティブなパーソナライズを含む)を生み出すことができる」
店内イベントをオンラインで開催する
店舗で実施していたイベントをオンラインのプラットフォーム上で行うには少し工夫が必要ですが、小売企業が参考にできる多くのベストプラクティスがあります。また、オンラインイベントの必要性に関する会話も多くみられます。
オンラインはそれほどよくないものでしょうか?たしかに店内のイベントは1度きりであることが多く、オンラインにはない特別感がありますが、オンラインで製品やサービスを1日中いつでも利用できるようにする機能は、深夜でも買い物客のニーズに応えられます。実際、John Lewisのデータによると、15回のうち1回の購入は深夜から午前6時までの間にオンラインで行われています。そして、2018-19年には、この割合が25%にまで増加しました。
企業によっては顧客の多くが朝のランニング前の早い時間にオンラインサービスを利用していたり、ランチタイムにオンラインサービスを利用していたりする場合もあります。下の画像のように、NetBaeなどの分析ツールを使用して自社のターゲットとしている顧客がアクティブな時間を知ることで、最適なサービスの形を知ることができます。
また、製品の一般公開前にオンラインでVIP向けに開催するローンチパーティーはヒットする傾向にあります。このような傾向も、サービスのオンライン化を進めていく中で見つけることができるでしょう。
将来の見通しがつかない状況においても、ソーシャルリスニングとオンラインイベントを組み合わせることによって、長期的な関係を構築する素晴らしい機会を作り出すことができます。また、これらを実施していく中で、何に効果があり何に効果がないかを振り返り、消費者と有意義につながるための最適な方法を模索して行くこともできます。このチャンスを有効に利用しましょう。
Amazon、Louis Vuitton、Doreはそれぞれ高級ファッション業界で異なる商品を提供していますが、一つ共通点があります。それは、市場の変化や消費者のニーズを注視し、そのとき消費者に必要とされていることに焦点を当てているということです。
あなたの業界やブランドに求められているものは何か、状況や消費者ニーズに合ったサービスとは何か、NetBaseによる分析のデモンストレーションをご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
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