ニューノーマル時代のインフルエンサーとは?

by Carol Feigenbaum | 2020年5月11日| Covid-19、インフルエンサーマーケティング、ソーシャルリスニング
参照元:https://www.netbase.com/blog/new-normal-influencers/
本記事はNetBase Solutionsによって書かれた上記の記事を翻訳したものです。

新型コロナウイルスは私たちの身の周りのものすべてを変えました。その変化は、私たちの生活や仕事の仕方だけでなく、物事(人)に対する評価にも及んでいます。その一例として、ソーシャルメディアでの消費者の関心は、セレブや有名人の「完璧」で世間離れしたライフスタイルから離れ、「ゆるく」て自由奔放なインフルエンサーへと向き始めており、これに従って企業が注目する対象も、今や “covidiot”と呼ばれるインフルエンサーから、より親しみやすいTikTokのインフルエンサーへと移っています。

消費者が求めるメディアの変化

新型コロナウイルスの影響で社会的な不安が高まり、ソーシャルメディア上では不安を煽るような情報やデマ情報が多く流れるようになりました。その結果、最近では地元の報道機関を利用する人が増えています。最新のHOROWITZの調査によれば、アメリカ人の58%が新型コロナウイルスのパンデミック以前に比べてローカルニュースを観るようになったと答えています。そのうちの38%は、もともとニュース自体を観ていませんでした。

ComScore-around-consumers-media-consumption-habits

消費者がローカルな情報やコミュニティ内でのつながりに注意を向け始めたことから、企業もそれに追随するかたちで新たなマーケティング戦略にシフトし始めています。Intrado Digital Mediaの社長であるBen Chodorは、PRWeekで「フェイクニュースや誤った情報の増加により、企業は自社で所有するメディアチャネルに重点を置き、企業のニュースルームやニュースワイヤーサービスなど従来のツールを活用するようになっている」と語っています。

このようにニュースの視聴率やコミュニティへの意識が高まる一方、ソーシャルメディア上では、これまでロックダウン中に自宅のプールや豪華なゲーム専用ルームで過ごす自分の様子を見せびらかすような投稿をしてきた有名人やインフルエンサーへのネガティブな評価が顕著になってきています。

ケンドール・ジェナー見せびらかし

彼らの派手なライフスタイルや投稿は、消費者にとって親近感がないばかりか「やりすぎ」で、消費者からの支持を失いつつあるのです。

Covidiotと呼ばれるインフルエンサー

ほとんどの人にとって、セレブや有名人インフルエンサーのライフスタイルは憧れでしたが、決して共感を感じるものではありませんでした。それでも少しは、彼らの生活の中に自分との共通点を見つけて、仕事や家族など現実生活との折り合いを付けながら生活してきました。

有名人との関係性

しかし、「持つ者」と「持たざる者」のコントラストがより明確になっている今、消費者の心理は大きく変化しています。

マドンナ生活、贅沢、そして感動のない世界の残り

人気ブロガーのArielle Charnasは、当時多くの人が新型コロナウイルスの検査をなかなか受けられない状況にも関わらず、コネを利用して優先的に新型コロナウイルスの検査を受け、陽性反応が出たにもかかわらずロックダウン中に家族とハンプトンズへ移動していました。この行動は一般市民から多くの批判を受け、彼女は多くのフォロワーを失ったばかりか、Nordstromとの提携も解除されました。

Covidiot-influencer-backlash

社会全体が一丸となって新型コロナウイルスと必死に戦っている中で、無責任にふるまう人 “covidiot(COVID + idiot)” にはそれ相応の評価が下されていると言えます。

NetBaseを使ってSocial Mood(社会的雰囲気)を見てみると、ソーシャルメディアのインフルエンサーに対するこの不信感が高まっていることがわかります。下のグラフでは「Joy(楽しさ)」に次いで「Disgust(嫌悪)」の感情が強くなっています。

NetBaseは、嫌な消費者の社会的ムードを明らかにします

新型コロナウイルスの検査やフードバンクラインへの優先的なアクセスなど、セレブや有名人と一般消費者との特権の差や、彼らの身勝手な行動が明らかになるにつれて、消費者はこれまで憧れの対象だった「豊かさ」を手にしたインフルエンサーにネガティブな印象を抱き、本当に重要なことは何か再考し始めているようです。

またニューヨークタイムズは、「新型コロナウイルスの世界的なパンデミックによって起きた最大の変化の1つは、近所の人の様子を確認したり、貧しい人を気遣ったり、友人にご飯を作ってあげるなど、人々の心理が向社会的行動に向かっていること」だと伝えています。人々は物質的な豊かさではなく、人との繋がりに意識を向けているのです。

1月から4月までの消費者のショッピングに関するセンチメントを見ると、それが明確に表れています。1月には「happy」や「excite」といったキーワードからこれまで通り消費者が買い物を楽しんでいる様子が分かりますが、4月には「miss」や「share」といったキーワードが目立ち、不要な買い物は避けてできるだけ人とシェアしようとする傾向が強まっていることが分かります。

1月から4月までの買い物客の購買意欲の比較
ショッピングに関するセンチメント(左が1月、右が4月)

消費者は今、物質的な豊かさよりも、感情的、精神的、経済的に共感し合えることを重視しています。

新たなインフルエンサーの顔ぶれ

TikTokでは、このような消費者の心理を反映して「ノーマル」なインフルエンサーが次々に登場しています。

また、消費者が親近感を感じられるインフルエンサーの必要性に気が付いている企業はすでに、これまでになかったようなTikTokコンテンツクリエーターとのコラボレーションを始めています。

Sky-and-Tami-tiktok-influencers

Sky and Tami は、スペインのマドリード出身の有名なカップルで、口パクチャレンジや、スケッチコメディ、食べ物の実験などが人気を集めるクリエイターです。ユーモアや明るさ、ラブラブな可愛らしさを備えた2人は、1400万人を超えるフォロワーの心を掴んでいます。

Jason-Coffee-and-family-tiktok-influencers

Jason Coffeeと彼の子供たちは 、ストレスのたまった家族にユーモアや笑いを届けています。元スターバックスの従業員(普通の労働者)だった彼は、「家族と楽しみながらバカみたいな動画を作る」というモットーで、家族と共に日常のいたずらやドタバタなどユーモアのあるコンテンツを投稿しています。

Jordi-Koalitic-tiktok-influencer

Jordi Koalitic は、身の周りにあるもので素晴らしい作品を作る写真家です。彼の有名な作品がどのようにして撮影されたのか、その舞台裏やアイディアを紹介する彼のアカウントは1500万人のフォロワーを集め、日常生活の中にある美しさを教えてくれます。

彼らは、TikTokやソーシャルメディアの外ではまだそれほど有名ではないかもしれませんが、彼らに対する消費者のセンチメントを見ると、彼らの名前が多くの人に知られるようになるまで、そう時間はかからないでしょう。

TikTok-influencer-love

ニューノーマルがもたらした変化

新型コロナウイルスのパンデミックは、人にも企業にも大きな混乱をもたらしています。その混乱の中で、消費者は金持ちやエリートの投稿にはうんざりで、自分の気持ちを理解して寄り添ってくれることや、コミュニティの一員であるという感覚を求めています。ソーシャル・アナリティクスを行っている企業は、もうこれに気が付いているでしょう。彼らはすでに新たなロールモデルやインフルエンサーになり得る存在を様々な場所や職業から見つけ出しています。

ターゲット層と繋がるための最適なインフルエンサーの特定方法や戦略についてのご相談、ソーシャル・アナリティクスツールNetBaseのデモンストレーションなどをご希望のお客様は、お気軽にご連絡ください。

Leave A Comment

You must be logged in to post a comment.

Share via
Copy link
Powered by Social Snap