参照元:https://netbasequid.com/project/how-ikea-measures-and-optimizes-campaigns/
本記事はNetBase Solutionsによって書かれた上記の記事を翻訳したものです。
IKEAのキャンペーン効果測定と最適化
キャンペーンの効果測定や最適化には、ソーシャル・アナリティクスが不可欠です。ソーシャル・アナリティクスを活用しているブランドは、キャンペーンのどこで良い結果が出ていて、何が上手くいっていないのか理解し、つねに改善の余地を探しています。
また、多くのブランドや代理店ではキャンペーンごとに個別の分析を行っているため、過去に実施したキャンペーンとの比較分析に苦労していますが、ソーシャル・アナリティクス・ツールを使用すればベンチマークの設定から分析まで、過去のキャンペーンとの詳細な比較が可能になります。
今回はIKEAのキャンペーンコンテンツ分析についてご紹介します。
IKEAは世界で最も価値のあるトップブランドの1つとして知られており、明確なブランドポジションを築いてきました。その成功の要因の一つは、キャンペーンコンテンツを常に改善し、消費者との新たな関り方を模索してきたことです。
昨年を通して、IKEAはブランドのコア要素である「simple(シンプル), every day(日常), boring(退屈)」の1つ、「every day」にフォーカスし、毎日の生活をよりよくするためのユーモアがあり控えめなクリエイティブを発信してきました。
IKEAの場合、キャンペーンの効果を測定するには、コンテンツのパフォーマンス、ブランドアトリビュート*の浸透、メッセージングの影響など、いくつかの異なる角度からアプローチできます。(※ブランドアトリビュート…ブランドのコアバリューやブランドらしさを表す言葉。)
コンテンツパフォーマンスの測定ではまず、FacebookやInstagramなどのチャネルごとに自社コンテンツのエンゲージメントを確認します(IKEAの場合、米国、英国、スウェーデン、カナダなど各国で配信しているコンテンツを確認する必要があります)。下のグラフは、期間とチャネルごとにエンゲージメントを比較したものです。YouTubeが最もエンゲージメントを促進していることはよくありますが、IKEAの場合、広告の効果が反映された結果その違いが顕著に出ています。
また、エンゲージメントだけでなく、各コミュニティ内の会話も確認しましょう。YouTubeとInstagramで頻出しているキーワードを見ると、家の装飾、アイディア、IKEAの「日常」キャンペーンなどに関するキーワードが多いのに比べ、Facebookでの会話は、価格や利便性に関するキーワードが多く見られます。どちらが望ましいかは場合により異なりますが、IKEAはプロモーションではなく、手頃な価格に重点を置いているため、YouTubeやInstagramをFacebookでの戦略にシフトし、エンゲージメントを高めようとしています。
ブランドに関する消費者の会話の中で、どれだけブランドアトリビュートが浸透しているか測定することで、メッセージングの効果を判定することもできます。
下のグラフでは青い線が投稿数を、紫の線が投稿ごとのエンゲージメントを示していますが、消費者は「シンプル」や「日常」といった今回のブランドアトリビュートについて頻繁に話しているだけでなく、IKEAのコンテンツやブランドメッセージに関連するオーガニックコンテンツにも継続的に触れています。
最後に、消費者の会話にIKEAのメッセージがどれだけ影響しているか見てみましょう。消費者同士での会話にはIKEAが使用したものと同じような言葉が使用されているのでしょうか。それとも、IKEAのキャンペーンやメッセージとは別の点にフォーカスしているのでしょうか。
メッセージの影響を測定する方法の1つは、所有コンテンツと獲得コンテンツで頻出するハッシュタグを比較することです。これによって、ブランド側が提供しているテーマを消費者が使用しているかどうか分析できます。
下のワードクラウドの左側が自社コンテンツ、右側が消費者の会話を分析したものですが、所有コンテンツで使用されていたハッシュタグのうちのいくつかが自発的に消費者にも使用されていることが分かります(#interiordesign、#homedecor など)。また、まだあまり使用されていないハッシュタグもあるため、これらの利用促進が改善として挙げられるでしょう(#ikeaideas、#ikeafamily など)。
まとめ
IKEAのキャンペーン戦略では、巧妙なクリエイティブだけでなく、消費者の動向を把握するためにソーシャル・アナリティクスも駆使しており、毎回のキャンペーンを比較分析することで過去のキャンペーンから学び、メッセージングやエクスペリエンスを向上しています。
- コンテンツ、チャネル、キャンペーンごとに分類されたエンゲージメント指標を継続的に追跡・比較することで、注意すべき外れ値や、改善すべき領域を特定することができます。
- ブランドに関する会話の中で、ブランドアトリビュートの使用がどれだけ増加しているか評価することにより、キャンペーンの効果を測定することができます。
- 所有コンテンツと消費者の会話を比較して、ブランドの発信しているメッセージがどれだけ浸透しているか確認することができます。
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