近年躍進するブランドがD2Cトレンドを先取りした方法

by Mike Baglietto | 2020年9月16日| DTC、D2C、カスタマーエクスペリエンス、CX、マーケットインテリジェンス、トレンド
参照元:https://netbasequid.com/blog/brands-dtc-trend/
本記事はNetBase Solutionsによって書かれた上記の記事を翻訳したものです。


2020年、どの業界も新型コロナウイルスのパンデミックによってデジタルトランスフォーメーションを余儀なくされましたが、それ以前からD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)トレンドを先取りしているブランドもありました。彼らはどのようにトレンドを予測したのでしょうか?また、これから来るトレンドはどのように予測すればいいのでしょうか?

この記事ではその具体例を以下の観点からご紹介していきます。

  • 2019年からD2Cに対応していたアーリーアダプターと、今後予測される成長
  • 成功しているブランドと、彼らの正しかった対応/間違っていた対応

また、D2Cに関連する統計的な情報も見ておきましょう。

  • 2022年までにD2C eコマースの購入者数は1億340万人に達すると推定されています。
  • 米国の小売売上高に対してeコマースの小売売上高は10%にすぎず、D2Cが成長する余地はまだ十分にあります。
  • カスタマー・エクスペリエンスで首位に立つブランドは、他のブランドよりも80%近く良い実績を上げています。

2019年から注目を集めるD2Cブランド

仲介者を取り除くことができ、消費者だけでなくブランドにとっても魅力的なD2Cのビジネスモデルは、これまで20年にわたって構築と変革を続け、2019年頃からトレンドになり始めました。新型コロナウイルスの発生以前からD2Cの売上は142.8億ドルに上り、2020年には177億5,000万ドルの成長が見込まれています。新しいブランドも毎日のように参入し、2022年までにD2C eコマースの購入者数は1億340万人に達すると予測されており、注目すべきトレンドであることが分かります。

Quid Socialを使って、2019年からのD2Cに関するソーシャルメディア上の会話を分析した結果が次のグラフです。各クラスターは会話を構成するセグメントを表し、一つ一つの点(ノッド)は記事やブログ、ニュースソースなどを表しています。

DTC-conversation-in-2019

グラフの中で、Brands Exploring DTC(D2Cを検討しているブランド)というクラスターは、各ブランドが検討しているD2Cの様々な方法に関する内容になっており、詳しく見ていくと有名ブランドがD2Cに参入したことや、消費者とつながるためのクリエイティブな方法に関する投稿が確認でき、今後D2Cの進む方向が示されています。

brands-exploring-DTC-in-2019

米国ではD2C eコマースの売上は国内小売売上の10%にすぎず、D2Cの変革はまだ初期の段階にあると言えますが、今後ますます大きなトレンドへと成長する余地は十分にあります。それでは、D2Cを活用しているブランドの例を見ていきましょう。

スポーツ業界のD2C

NBAは新型コロナウイルスの発生以前から「NBAデジタル」というプラットフォームを作成し、100以上のNBAゲーム、オリジナル番組、オンデマンドビデオコンテンツへのアクセスをファンに提供することで業界のゲームチェンジャーとなりました。バスケットボールは世界で最も愛されているスポーツの1つであり、スポーツ業界にとっては大きな変化だったと言えるでしょう。

これに関するソーシャルメディア上の投稿をNetBaseで分析したのが次のグラフです。 “I love” を含むポジティブな投稿と “I hate” を含むネガティブな投稿を比較しており、”I love” を含むポジティブな投稿がかなり多くなっていることが分かります。右側は、ポジティブな意見を持つ消費者の実際の投稿です。

個人的な物語

NBAにはFacebookだけでも3854万人のファンがいるため、このスポーツ界の巨人がD2Cのトレンドを見つけるためにはカスタマー・インテリジェンスは必要なかったのかもしれませんが、他にもD2Cを異なる角度から上手に利用しているブランドがあります。

D2Cを実現するために必要な技術

D2Cは、ブランドが消費者と直接つながれるため、例えば新製品をテストする場合には絶好の方法です。ただし、消費者がブランドから直接商品を買えるという仕組みを作るだけでは十分ではありません。

次のタイムラインは、ソーシャルメディア上でD2Cブランドマーケティングに関する会話がどのように変化したかを示したものです。

DTCブランドマーケティング上の小売業者

この分析の中で次のような投稿がありました。 どんなに顧客が多いブランドに対しても、消費者は個人個人に合わせたショッピング・エクスペリエンスを期待しているという内容です。

DTC-brand-marketing-articles

Bluecoreは、ブランドが顧客と製品のデータを識別し、顧客ごとにカスタマイズされたエクスペリエンスを提供することで、1/4の時間で2倍の収益を得られるようにするシステムを提供しています。上記のような投稿はまさに、Bluecoreがこのシステムを開発する動機となるようなマーケット・インテリジェンスでしょう。

Colgate-Palmoliveもまた、技術を上手く活用しているブランドの1つです。彼らはクラウド広告をeコマースと組み合わせることによって大きな成長を遂げました。

1つ1つの技術はパズルの一部にすぎません。D2Cにおいては、消費者がブランドから直接商品を買える仕組みだけでなく、技術を適切に組み合わせることでオーダーメイドのショッピング・エクスペリエンスを提供することが最新のトレンドになっています。

消費者の心理を理解したD2Cの活用

Lululemonは、世界で最も急速に成長しているアパレル企業の1つであり、そのD2Cセグメントは、同社の成長の約40%を占めるほど重要な役割を果たしています。

彼らはオンライン・エクスペリエンスを魅力的でシームレスなものにすることにフォーカスしており、SeaWheezeチャレンジなど強力なデジタルキャンペーンを行うことで一貫した利益を上げ続けています。SeaWheezeチャレンジは、毎年バンクーバーで開催され10,000名ものランナーが参加するハーフマラソンのイベントで、今年はオンラインでの参加も可能になりました。Lululemonはイベントを開催するだけでなく、ソーシャルメディアページに “together”(一緒に)という感覚を持ち込み、ブランドと消費者の繋がりをパーソナライズすることで、オンライン参加でも顧客がハーフマラソンを完走できるようなモチベーションを提供しています。

初期のDTCアダプターとしてのルルレモン

このようにカスタマー・エクスペリエンスで首位に立つブランドは、他のブランドよりも80%近く良い実績を上げているという結果もあります。また、次のグラフは、過去1か月に投稿されたLululemonに関するソーシャルメディア上の投稿をNetBaseで分析したものですが、左の円グラフにも右の実際の投稿にも、インタラクティブなキーワードが見られ、消費者もLululemonとの関係をパーソナルに感じていることが分かります。

消費者感情の周りのルルレモン

消費者のニーズに合わせてカスタマー・エクスペリエンスを改善しているもう1つのブランドが、Walmartの所有するBonobosです。

D2Cによるカスタマー・エクスペリエンスの改善

Bonobosは、パーソナルなユーザー・エクスペリエンスの重要性を理解しており、他にはないカスタマーサービスを提供するために、問い合わせへの解答スピードに着目しました。電話への応答は90%以上が30分以内、メールへの応答は平均24時間以内で、90%が「素晴らしい」という評価を得ています。Forresterの調査によれば、このように優れたカスタマー・エクスペリエンスを提供しているブランドは、遅れをとっている競合他社の5.7倍の収益を得ています。

またGilletteは、Gilletteオンデマンドでテキストのみでの注文やサブスクリプションによる購入を可能にし、カスタマー・エクスペリエンスを改善しました。Gilletteもまた、消費者にとってブランドとのパーソナルな関りが不可欠であることを理解しており、まさにそれを具現化したカスタマー・エクスペリエンスを提供したのです。

このように、多くのD2Cブランドが変革を行っていますが、その結果、不要な注目を集めてしまった事例もあります。

変革と独占禁止法

Unileverのマーケティングおよびコミュニケーション担当最高責任者であるKeith Weedは、ブランドと消費者のつながりを維持する方法としてD2Cの重要性を認識しています。「WalmartやTescoの店舗の棚にHellman’sのマヨネーズを150個置くことはできませんが、ウェブサイトならそれが可能です。」これは、Unileverが所有する有名なマスタードブランドであるMailleに期待していることです。

オンラインではバラエティーの豊富さが重要であることをNike Directも理解しています。Nikeが買収したテック系スタートアップ2社を統合してできたNike Directの株価は2019年に73%以上に上昇、第1四半期の売上高は107億ドルに突入し、デジタルは42%も増加しました。

このようにDTCブランドが大きく成長すれば、NikeやUnileverに吸収されるか、ephoraなどのより有名なブランドに販売されますが、その際、独占禁止法に注意しなくてはなりません。

2019年、Edgewell Personal CareはカミソリのブランドであるHarry’sを13億ドルで買収しましたが、これに対してFTC(連邦取引委員会)は独占禁止法違反を理由に訴訟を起こすことを発表しました。結果的に買収は成立しましたが、Harry’sに適切なマーケット・インテリジェンスがあれば他のブランドの教訓から学ぶことで、もう少し早く買収を成立させられたかもしれません。

また、買収を考えるような大規模なブランドにとっても、マーケット・インテリジェンスは競合の動きや買収の可能性をいち早く知ることのできる重要な情報です。このヒートマップは、各カテゴリ内の会社の数、セグメントの年間成長率、誰がどこに投資している等に関する詳細を示しています。このような分析から、各市場が飽和しているかどうかを把握でき、独占禁止法に触れることを防ぐことができます。

DTC候補のヒートマップ

ただし、これはD2C業界のすべてを表しているわけではありません。他の業界にもカテゴリーの幅は広がっています。

仮想通貨や遺伝子検査とD2C

D2Cは、時価総額第2位の暗号資産プラットフォームであるEthereum(イーサリアム)のような企業とも関りがあります。Ethereumはビットコインなどとは異なり、取引において仲介者を必要としない仕組みを採用しており、当初40セントだったは 1 ether(イーサ)は現在約400ドルにまで上昇しています。物理的な通貨は両替が必要になるなど不便な点が多くあり、デジタル通貨がスタンダードになる可能性は十分にあります。現在デジタル通貨に関心がない人にとっても、すぐに身近なものになるかもしれません。

またPathway Genomicsは、遺伝子検査サービスを直接消費者に提供している企業で、遺伝子からガンのリスクや最適な食事・フィットネス、祖先、肌の質などが分かる同社のサービスは消費者にとても人気があります。次のグラフはDNAやバイオテクノロジーに投資している企業を示しており、このセグメントへの投資は一見非常に少ないですが、遺伝子検査の世界市場規模は2022年までには3億5000万ドルに拡大すると言われています。

インベストメントインテルアラウンドDTCブランド

­­PathwayはD2Cに目を付けたことで顧客を広げ、現在すでに2,600万人が自宅でPathwayのDNAテストを受けています。また、現在彼らはIBMと協力して、アプリで消費者が医学的な検査の結果をより理解できるような支援の方法を検討しています。

どちらも典型的なD2Cブランドではありませんが、D2Cによって顧客層を広げ、大きな成長をとげました。

ここまで、様々なD2Cブランドの取り組みについてご紹介してきました。彼らのように新たなトレンドを発見していち早く適用していくためには、ソーシャル・インテリジェンスに基づいた意思決定が不可欠です。ソーシャルデータの分析に関するご相談や、ソーシャル・リスニング・ツールNetBaseのデモをご希望の方はお気軽にご連絡ください。


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