ソーシャルムードを読み取りビジネス戦略に活かす方法

by Carol Feigenbaum | 2020年5月14日| Covid-19、カスタマーエクスペリエンス、センチメント分析、トレンド
参照元:https://www.netbase.com/blog/social-mood-new-business/
本記事はNetBase Solutionsによって書かれた上記の記事を翻訳したものです。


新型コロナウイルスの猛威が治まり外出規制が緩和しても、消費者はしばらくのあいだ自宅からネットを通して商品を購入すると考えられます。消費者の購買行動に影響を受けるほとんどの企業では、このような動向を把握しておくことが今後ますます重要になります。

そこで今回は小売業界を例に、ソーシャル・リスニングで消費者の感情の変化や、社会的なムード、今後必要になる新たな事業分野などを特定する方法をご紹介します。

新たな戦略の必要性

従業員の解雇、サービス体制の再構築、さらには無期限の店舗閉鎖など、ほとんどの企業が何らかの形で新型コロナウイルスの影響を受けました。新型コロナウイルスの感染拡大以前と同様に機能しているデジタルビジネスでさえ、多くの顧客が以前より経済的に苦しい状況にあるため、売り上げを伸ばすことが難しい状況にあります。

しかし、外出規制が緩和し店舗の閉鎖を解除したとしても、客足がすぐに戻るとは考えられません。米商工会議所の最近の記事では、「企業側がどのような安全対策を行ったうえで店舗の閉鎖を解除しても、消費者は閉鎖空間に行くことを警戒するだろう」と述べられています。

またWashington Postでは、以下ように述べられています。

「ヨーロッパでの新型コロナウイルスによる死者数は今週末で10万人を超えました。イギリスやフランスを含む多くのヨーロッパ諸国は引き続き厳しいロックダウン状態にあり、今後数週間は厳しい制限が続くと予想されます。一方で指導者は、経済的なインパクトも考慮しなくてはなりません。数万人もの雇用が危機に瀕しており、失業率はほぼ倍増する可能性があります。」

各企業の経営者は、どのようにして感染対策とビジネスのバランスをとるか決断を迫られています。

ソーシャルムードアラウンドリオープンオープニングエコノミーとクリエイティングニュービジネス

では、企業はどのようにして長期的な戦略を立てていけばいいのでしょうか。まずは、業界の動向や消費者の感情をよく理解すること、そして新たな事業分野の可能性を見つけることから始めましょう。

消費者の理解

ソーシャル・リスニングツールを使用すれば、業界の動向や消費者の感情をリアルタイムに分析することができます。実際にNetBaseを使って、過去1か月の「オンライン販売」について分析した結果を見てみましょう。

過去1か月からのオンラインの小売りに関するネット感情

過去4週間で、小売りのオンラインショッピングに関して870,000件以上の投稿があり、センチメント傾向は38%でした。グラフ内の個々の日付をクリックすると、実際の投稿が表示されます。

社会的ムードの変動要約詳細スパイク

性別割合を見ると、女性が72%、男性が28%と女性の投稿が多いことが分かります。その他にも年齢割合など投稿者のデモグラフィックを分析することで、どのような属性の消費者が小売業界に強い関心を持っているのかが分かります。

消費者人口統計情報-サポート-新事業開発

位置情報を分析すれば、どの地域からの投稿が多いかを確認することもできます。

地理的洞察からサポートへの新しいビジネス開発

ワードクラウドで頻出キーワードや感情キーワードからは、業界や消費者の最新情報を具体的に把握することができます。例えばネガティブなキーワードから、今後発生する可能性のあるリスクに備えることができます。

word-cloud-showing-passionate-response-around-reopening

また、NetBaseでは、Social Moodという機能を使ってあるトピックに対する社会的な感情を探ることもできます。従来のセンチメント分析はセンチメントをポジティブとネガティブの2通りに分類していましたが、NetBaseのSocial Mood機能では、AIがテキストデータを最大16の感情に分類し、棒グラフやレーダーチャートで表示します。そのため、消費者の反応がより具体的に分かるようになります。

social-mood-insight-to-support-new-business-devleopment

新しい事業分野の発見

新たな事業分野を特定する際にも、ソーシャル・リスニングが役立ちます。先ほどと同様に、Quidを使って小売業界を分析してみましょう

このビジュアルマップでは、小売企業やサービスの内訳をクラスターとパーセンテージで表示しており、それぞれがソーシャルメディア上でどの程度言及されているかが分かるため、業界の中での主要なセグメントの概要を把握することができます。

市場情報を使用してビジネスの新しい潜在的なラインを識別する

特定のクラスターを深掘りすれば、そのクラスターに含まれる企業の数や位置情報、そのクラスターについて言及するときの特徴的なキーワードなど、重要な情報を得ることもできます。

インテルが特定のクラスターを分離するときに利用可能

他にも、「新たに注目されているカテゴリーはあるか?」「どこで、どのような会話が活発になっているか?」など、インサイトを得るためのデータの見方は無限にあります。

ソーシャル・リスニングを通して消費者のインサイトを理解すれば、いくらでも新たなビジネスの機会を見つけることができます。

ビジネスの再構築

数カ月間に及ぶロックダウンを乗り越え、経済は少しずつ動き出そうとしていますが、今後社会がどのように変化していくのかは誰にもわかりません。社会の変化に適応していくためには、企業は現在のビジネスモデルだけではなく新たな可能性や戦略を模索し、従来の在り方を見直していく必要があります。

しかし消費活動が鈍り、これまでのように店舗に来店する消費者や売り上げからは十分な情報が得られません。このような状況下ではとくに、ソーシャル・リスニングは消費者のインサイトを知る有力な手段となります。

今後のマーケティング戦略でお困りの方や、ソーシャル・リスニングのデモンストレーションをご希望の方はお気軽にご連絡ください。


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