東京都知事選挙2020 ~ソーシャル視点から見えてきたリアル選挙の課題とは~【後編】


はじめに

現在電通国際情報サービス(ISID)では、Social Intelligenceを活用して、with/afterコロナ時代の消費者を分析するソーシャル分析支援キャンペーンを実施しています。改めて、どういった分析ができるのかを知って頂くためにも、今回参考となる簡単な事前事後のタイムライン分析を行ってみました。

テーマとしたのは、東京都知事選挙(令和2年7月5日施行)です。東京都民を始めとして国民の関心も高かったであろうこのトピックを扱ってみます。

さっそく分析をしてみようと思いますが、選挙の結果としては、現職の小池百合子氏が再選を果たしました。この再選について、様々なメディアが取り上げておりましたが、ソーシャル上ではどのようなトレンドが生まれ、結果に対する反応がどうであったかと、そこから窺い知れるインサイトについて、NetBaseを利用して分析してみます。

参考情報として、候補者と獲得票数・率を記載しておきます。

出典:https://www.yomiuri.co.jp/election/local/tochijisen2020/results/

分析・考察の視点としては、以下となっております。


前回までのまとめ

開票前後のソーシャルでのトレンド・リアクションの検証を行い、投票前後におけるソーシャル上のクラスターが、以下のように変容していると推察しました。

これらの変容をもたらしたのは、ソーシャル上でのトレンドとリアルとの乖離、そこに相対的な関心度合いが係数となって、クラスターが細分化されたと前編でまとめさせていただきました。

そして、その乖離の要因についてを、この後編で考察していきます。


●検証ポイント③:投稿者属性から見る投票への影響度合い

まず、今回の分析の元になったデータの投稿者はどういった層なのでしょうか。
ひとつわかりやすい指標として、年齢があげられるかと思います。NetBaseの投稿者情報と、選挙データ、統計データを元にこの乖離についても調べてみました。25-34歳を最大として、主に若年層が中心だということがわかります。

これに対して、実際の投票者の構成比を過去のデータを参考にしながら割り出してみますと、45-49歳を最大としながら、中高年層以降は全て7%を超える構成比となっています。 ※投票率ではなく、影響力を見るために、年代ごとの投票数を出し、その構成比を重視しています

比較ができるように、それぞれの構成比を揃え、わかりやすいようにグラフにしてみました。

すると、投稿の57.5%を占める~34歳までの方が投票に占める割合は、16.4%程度でしかないことがわかりました。このことから、ソーシャルのトレンドをリアルにフィードバックしていた(と思われる)投票者が多いとは言えず、ソーシャルとリアルで乖離が生まれたと言えるでしょう。


最後に

NetBaseによって、選挙における若年層の関心があるということは、投稿から明らかになっていますが、実際の投票という行動と等しいとは言い切れないこともわかりました。不正選挙といったキーワードがトレンド入りしていたような今回の都知事選、そういった批判めいた意見をなくしていくためにも、選挙や政治の在り方の啓蒙や、若年層の投票を向上させる仕組みづくりが必要なのかもしれませんね。

このように、NetBaseを使って、特定のトピックに関して、キーワード、期間などによって簡単に分析することが可能です。今回はあくまで簡単な分析を通じて見えてきたファクトとインサイトを元に、別のデータと掛け合わせてさらなる考察を行ってみました。

現在のコロナ禍において、ニューノーマルと呼ばれるように消費者のインサイトにも変化が生じています。それらをソーシャル分析によって把握することで、今後の商品開発、マーケティング施策にフィードバックしていくことが可能になります。

今ならソーシャル分析支援キャンペーンを行っておりますので、ご興味がありましたら是非お問い合わせください。


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