NetBaseのAI機能の一つ「Image Analytics」及び画像分析の技術とは?

by Paige Leidig | 2020年7月20日| ソーシャルリスニング、トレンド
参照元:https://www.netbase.com/blog/what-is-image-analytics/
本記事はNetBase Solutionsによって書かれた上記の記事を翻訳したものです。


「百聞は一見に如かず」という言葉がありますが、ソーシャルメディアにおいても同じように、1つの画像が100ツイートに値するほどの情報を持っている可能性があります。では、Image Analyticsを使わないことで、どれだけの情報を逃しているのでしょうか?2014年、ソーシャルメディアのユーザーによって投稿された画像の数は毎日平均18億枚です。そう考えれば、かなりの情報を見逃していることになります。また、日々投稿されている画像の数は増加しており、Image Analyticsはますます重要な分析手法になっています。

そこで今回の記事では、 画像分析技術の概要や、このテクノロジーをブランドのソーシャル・アナリティクスに活用する方法をご紹介します。

なぜ今、画像分析が必要なのか?

ソーシャルメディア上の情報に占める視覚データの割合はますます増加しています。データ分析を行っていたとしても、テキストデータのみを分析対象としていて視覚データから情報を得ていなければ、消費者について把握できることは部分的です。

2018年の統計では、驚いたことに毎秒推定9000枚の写真がソーシャルメディア上で共有されています。これらの写真にブランドの商品やロゴが映っていて、テキストにはブランドや商品名のメンションがなかったとすれば、画像分析がどれほど重要になっているか想像できるはずです。また、投稿の目的が商品の宣伝ではなく、例えば消費者の日々の生活などに関する投稿であっても、投稿された画像にブランドの商品やロゴが含まれている場合があります。そのような情報こそ、消費者のライフスタイルやブランドへの感情を理解するうえでは重要になります。

近年、Instagram、Snapchat、Pinterestなど画像中心のプラットフォームが急速に成長し、さらに他のプラットフォームでも画像や動画、ストーリーなどの視覚データを共有するオプションが提供されたことで大きな成長を見せたことからも、視覚データがトレンドであることが分かります。

また、 画像分析が役に立つのは顧客の分析だけではありません。競合分析や製品開発など様々な分野で活用することができ、影響力のあるインフルエンサーを特定することもできます。

このInstagramの投稿者はブルガリア人アスリートの二人組で、この投稿ではそのうち一人が映っています。彼らはフィットネスに関することを投稿しており、ハッシュタグを見ると #フィットネス、#モチベーション、”ボディビルディング、#ポジティブ などに関心があることが分かります。

この投稿のテキストから、彼らがどのようなユーザーで、何について投稿しているのかは分かりますが、画像に映っているCombatプロテインパウダーについてはテキストで触れられていません。

彼らは2万人以上のフォロワー数を獲得しているだけでなく、画像を見ると投稿者がプロテインパウダーのボトルを抱いて「little baby」と呼んでいることから、ブランドや商品への愛着があることも分かります。Combatにとってはかなり有益な情報になるはずですが、テキスト分析だけではこの投稿が分析の対象にならないのです。

このような事例から見ても、ソーシャル・アナリティクスにはテキスト分析だけでなく画像分析が必要であることが分かります。

画像分析技術の進歩

画像分析は遠い先の技術ではありません。すでに多くの人が使用しているはずです。たとえば、携帯電話で写真をバックアップするために使用されるGoogleフォトなどのサービスでは、使用者がリクエストしなくても画像をカテゴリーごとに分類しており、「甥と動物園に行った時の写真」や「上司の退職パーティーの写真」を検索すれば、かなりの精度で正確な結果が得られます。顔認証は犯罪ドラマの中だけでの話ではなく、すでにあなたのスマートフォンの中でも使用されているのです。

画像分析の技術はさらに高度化しており、ソーシャルメディア上の画像を分析し、性別、年齢、顔の表情、オブジェクト、アクション、シーン、トピック、感情、ブランドロゴなどで画像を抽出することもできます。

それでも、 画像分析の技術開発はまだ始まったばかりです。ここ数年でソーシャル・アナリティクスの技術がどれだけ進歩したかを考えれば、AI、AR、VRなどのテクノロジーが普及するにつれて、画像分析が今後さらに進歩していくことが予想されます。

今日、ソーシャル・アナリティクス・ツールにとって画像分析は最低限必要なものになっています。NetBaseではすでに機械学習と人工知能(AI)を駆使して 画像分析「Image Analytics」を取り入れており、今後もサードパーティーに依存することなくテクノロジーやイノベーションの進歩に合わせて機能を強化していく予定です。

それでも、テキスト分析は必要か?

もちろん、テキスト分析も外すことはできません。画像がテキストなしで投稿されるのと同じように、テキストに重要な情報が含まれている場合もあります。たとえば、ブログ、ニュース記事、レビューサイト、掲示板などでは、画像よりもテキストで重要な情報が発信されていることが多いでしょう。

一方、画像分析には次のような特徴があります。

  • 言語の壁を超えた情報伝達
    世界に数多くある言語を理解できなくても、画像は普遍的です。これは、グローバルブランドや、海外への拡大を目指すブランドにとって貴重な情報になります。
  • 情報量と伝達スピード
    画像には多くの情報が凝縮されており、長い説明を読まなくても情報が一目見るだけで伝わります。テキストのように文字数制限もないため、テキストに比べて情報量と伝達スピードの違いは一目瞭然です。
  • 消費者視点の情報が得られる
    ソーシャル・アナリティクスで大切なのは、消費者の実生活や個人的な考え、感情を明らかにすることです。画像によって共有された情報以上に消費者の私生活を垣間見ることができるものはありません。

テキスト分析も画像分析も、どちらか一つだけでは不十分で、二つを組み合わせることでデータを強化できるのです。

画像分析のメリット

新しいテクノロジーが次々に登場し、ブランドに求められるソーシャル・アナリティクスの手法にはきりがないように思えるかもしれません。ここからは、画像分析のメリットをご紹介しますので、導入を検討する際の参考にしてみてください。

また、画像分析の必要性を感じていても、分析ツールを導入するために会社を納得させるのに苦労したり、分析ツールを導入したものの最大限活用できていない場合もあると思います。その際にも、次のポイントをチェックしてください。

1.データ精度の向上

ソーシャルデータを活用する上で最も重要な点は正確さです。十分なデータ精度がなければ分析を行う意味がありません。例えば、投稿数が多くても分析目的に合った投稿の内容や文脈でなければ使用できません。画像分析の技術を使用すれば、ブランドが視覚的にメンションされている投稿を検出して視覚的なデータも分析対象に加えることができるため、データの精度向上に繋がります。

また、認識できるものはロゴだけに限りません。オブジェクト、シーン、場所などを分析する機能もあるため、コーヒーが飲まれているシーンや、競合他社のロゴなど、分析したいカテゴリに関連する画像を見つけることができます。

2.感情分析精度の向上

テキスト分析では、投稿されたテキストをNLP(自然言語処理)によって分析し、文脈も考慮してテキストに含まれる感情を明らかにしますが、画像分析でも感情を分析することができます。

例えば、画像に映っている人物の表情を分析して感情ごとに分類できるため、テキスト内に感情を表すキーワードが含まれていなくても画像から感情のデータが得られる場合があります。画像が物語っている貴重な情報を見逃すのは大きな損失です。

3.スポンサーシップや広告のパフォーマンス評価

組織やイベントとのスポンサーシップは、ブランドの認知度を高め消費者の愛着を獲得するための優れた方法です。ただし、良い結果を得ることができるのは適切な相手と提携した場合に限られるため、費用対効果のチェックは欠かせません。ここでも画像分析が役に立ちます。

例えば、スポンサーシップや広告の効果はエンゲージメントを見ることで測定できますが、次の画像のようにイベントなどで使用されるブランドロゴが印刷された背景に競合ブランドのロゴを見つけたら、そのイベントのエンゲージメントを確認し、自社ブランドのパートナーシップと価値を比較することができます。

他にも、同じ方法でリアルタイムキャンペーンを測定したり、イベント以外の場面でブランドがどの程度のエンゲージメントと露出を獲得しているか確認することが可能です。

4.潜在的なインフルエンサーのパフォーマンス評価

画像分析により、他の方法では見つけられないインフルエンサーを特定することもできます。

例えば、サットン・フォスターという女優のInstagramの投稿を見てみましょう。この投稿は休日に慌ただしく湖に向かう家族の日常の様子を共有したもので、写真には小さな子どもと2匹の犬が映っていますが、実際の投稿の目的とは別に、チャイルドシートにUPPAbabyのロゴが入っていることが分かります。

このような投稿が、ブランドにとっては有名人のファンなど幅広い層から注目を集める機会になっています。有名人やインフルエンサーが投稿する画像の中で、何がブランドにとって宣伝の機会になるかは分かりませんが、画像分析を使えば、このような貴重なデータを見逃すこともありません。

5.商品が使用されるシーンや使用方法に関する情報の獲得

消費者は、商品を購入したことや、購入した商品の価格、顧客対応について投稿することはありますが、商品をどのように使用しているか発信することはほとんどありません。しかし、画像分析では本来の投稿目的とは別に、画像から商品がどのような場面で使用されているか、適切な方法で使用されているか、ブランドへの愛着があるか、といった情報が得られることがあります。このような情報は、テキストでブランド名に対するシンプルなメンションがあるよりもより多くの情報を提供しており、ブランドにとってはこれ以上ない貴重な情報の情です。

視覚的なメンションがネガティブな場合も同様に貴重な情報になります。

ソーシャル・アナリティクスは複雑なパズルのようなもので、どのピースもパズルを完成させる上で欠かすことができません。その中でも画像分析は、市場を把握する上で大きなインパクトのある情報で、インサイト発見の手掛かりとなる重要な要素が含まれています。

画像分析は他の分析手法に比べれば新しいですが、画像分析技術は導入を検討すべき水準に達しています。顧客のニーズを満たすためにも、競合よりも先を行くためにも、画像分析という新たな武器を取り入れてみてはいかがでしょうか。

画像分析の詳細や、NetBaseのImage Analytics機能についてのご質問・デモのご希望がございましたら、お気軽にご連絡ください。


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